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AquaTalkingReview version.3

  • 執筆者の写真: aquatalkingreview
    aquatalkingreview
  • 2023年7月10日
  • 読了時間: 1分

更新日:2024年3月6日

AquaTalkingReview version.3


2023/06.10.


in Kyoto


第3回となるAquaTalkingReviewが行われました。

以下は、その記録です。

登壇者の肩書については、当時のものとなります。


Speaker

佐藤 駿 氏

京都大学白眉センター助教

『ディスカスの顔の話ひたすら』



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アクアトの主要メンバーでもある佐藤先生。

これまで1~2回と登壇していただき研究内容をお話いただいておりました。

今回、京都大学白眉センター助教就任を記念し、改めて、氏の愛する「"ディスカス"という魚」への愛をいちオタクとして語っていただきたく、熱烈にオファーをし、今回の講演が実現しました。


先ず、自己紹介として、佐藤氏の幼少期から現在に至るまでの経歴を話してくださいました。

過去に行った研究を改めて簡易に説明。


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アフリカ大陸 タンガニィカ湖 現地にて野外調査を行う佐藤氏。

「最近はタンガニイカシクリッドの社会性・生活史進化の研究がナウい」とのこと。



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※実際に使用されたスライド


そうです。今回は「ディスカス愛」を話してくださいというオファーでした。

氏は、ディスカスについての論文も多く書かれていますが、現在、認知されている論文の多くは、その他の魚を対象としたものです。

でも、今日は他の魚の話をするなんて、野暮ってもの。


そこから2時間近く、愛にあふれるディスカスの時間でした。


ディスカスの「古典的な分類」と「近代的に認知されている分類」

近縁種や、ディスカス(Symphysodon属)内の種やバリエーションの話から始まりました。

実際に調べてみても混沌としており、正しく把握できない話を、学者としての視点といち趣味家としての視点から紐解いてくださいました。


そして、改良品種。

突然変異を端とする品種やワイルド系改良品種についての大まかな説明。

またその中でも佐藤氏は、アレンカー湖のディスカスのうちの系統から始まっている「紅雀」と呼ぶ系統を突き詰めて行っている。


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趣味家として息を呑む表現のディスカス。

突然変異の改良品種と異なり、成熟に連れて後から美しくなる為、飼育するだけにも非常に根気の要る魚。

店頭でお目にかかることは困難な魚です。


幼少からディスカスを愛しており、遍歴を写真を交えてお話くださいました。

また、2011年には現地アマゾンまで実際にディスカスを見に行ったそう。

その1年後、上記の「紅雀」に魅せられ、生涯添い遂げることを誓ったとのこと。


ディスカスといえば、粘膜給餌。

親魚が子魚に体表から分泌する粘膜(ディスカスミルクと呼ばれる)を与え、ある程度の大きさまで保育するという生態。

魚の繁殖に興味があれば、誰もが知っているディスカスを代表する生態ですが、意外な事に、これらは研究されていなかったそう。


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実際のスライド。

ディスカスミルクだけでなくディスカスの髄までを舐め尽くすという気概にあふれる。


その視点故に、タンガニィカ湖に生息するペリソウダス・ミクロレピスが、ディスカスと同じく(詳細は異なるが)粘膜給餌を行う事に気付き、研究対象とした。

「好きこそものの上手なれ」とは言うが、改めて氏の愛がディスカスオタクだからこそ、大陸を跨いで気付きを得ていることに感銘を受けざるを得ません。



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実際のスライド

絵も佐藤先生によるもの。非常に美しい。

眼が生きている魚の眼ですね。


こちらは氏を代表する研究内容とも言えるのではないでしょうか。

ディスカス同士は、顔を認知し見分けているという研究です。

これだけ聞くと我々は「どういうこと?」となってしまいますが、検証方法と結果を聞ければ納得と驚きのお話です。

氏が講演する機会もあると思いますので、調べれば論文も出てきますが、是非、実際の講演で聞いてみてください。省きます。



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実際のスライド


改めて氏のディスカス愛に溢れた素晴らしい時間でした。

本当にありがとうございます。

【紹介された主な生物】 (魚) ディスカスとそれ以外




それで終わらないのが、Aqua"Talking"Review

各自、簡単な自己紹介。

ショップの代表者、店員、他魚種のブリーダー、中高生スーパーアクアリスト、埼玉から夜行バスに乗って来てくれたマニア・・・多くの魚好きが集まってくれました。


その後は参加者の持ち寄りネタで、魚の意見交換。

今回はディスカスの話がメインでしたが、ディスカスの飼育者に限った会ではなく、色んな情報が交換できました。

中でも、若手ドラスマニアのK氏による中型ドラスの分類あるいは流通名の齟齬に触れた発表には度肝を抜かれました。


また、繁殖・飼育余剰魚も持ってくださった方もおりました。

告知が遅くなったので魚種は限られましたが、あまりお目にかかれない魚ばかりですばらしかったです。


会場を後に、食事を兼ねた2次会へ。

そこでもテーブルごとに大いに盛り上がり、とても楽しい1日となりました。





(記/山端 和宏)

 以上、登壇者、参加者の皆様。ありがとうございました。



2024.03.06追記

参加いただいたアクアハーミット様からもレポートを頂きました。











 
 
 

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